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【院長ブログ】胃の不調が気になる方へ:慢性胃炎と機能性消化管障害について

慢性胃炎とは?

「胃カメラやバリウム検査で『慢性胃炎がありますね』と言われたことがある」という方も多いのではないでしょうか?
慢性胃炎とは、長期間にわたる胃の炎症が続き、胃の粘膜が荒れたり萎縮したりした状態を指します。その多くは ピロリ菌 が原因とされています。

胃の粘膜が萎縮すると、食欲不振や胃もたれ、胃が重い感じなどの症状が現れることがあります。また、この萎縮した粘膜は正常な胃粘膜に比べて 胃がんが発生しやすい と言われているため、定期的に胃カメラ検査を受けることが推奨されます。

 

ピロリ菌除菌後も注意が必要

ピロリ菌を除菌すると炎症は止まりますが、一度萎縮してしまった粘膜が元に戻ることはありません。そのため、症状が残る場合もあります。こうした場合には、次のような治療法が効果的です:

・胃酸を抑える薬
・胃の動きを改善する薬
・漢方薬

など

これらを組み合わせて内服することで、症状の改善が期待できます。胃の不調を放置せず、適切な治療を受けることが大切です。

 

機能性消化管障害とは?

機能性消化管障害とは、食道から大腸に至るまでの消化管の運動障害によって引き起こされる病気です。
ストレスや食事、気温の変化が主な原因とされています。以下のような疾患が含まれます:

 

① 非びらん性胃食道逆流症(NERD

逆流性食道炎と似た症状(胃のむかつき、胃酸が上がってくる感じ、つかえ感など)がありながら、内視鏡では炎症が確認されない病気です。胃と食道のつなぎ目の過敏性やストレスが関与しているとされています。

治療法

・胃酸を抑える薬
・必要に応じて粘膜保護剤、抗不安薬、漢方薬

 

② 機能性ディスペプシア(FD

長期間続く胃痛や胃もたれ、満腹感などの症状があるにも関わらず、胃カメラで原因が見つからない場合に診断される疾患です。

治療法

・制酸剤
・効果的な漢方薬(当院でも積極的に取り入れています)

 

③ 過敏性腸症候群(IBS

ストレスなどが原因で腹痛や便秘、下痢などの症状が現れる病気です。ただし、この診断を行う前には、他の重大な病気を除外することが必要です。

注意点 過敏性腸症候群と診断された患者様の中には、後に、潰瘍性大腸炎や大腸がん が発見されるケースもあります。慎重な検査が重要です。