ブログ記事

【院長ブログ】ピロリ菌を除菌した後検査する必要はある?

ピロリ菌とは?

ピロリ菌は、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる小さならせん状の細菌で、その大きさは約0.0004mmです。日本では約3500万人がピロリ菌に感染していると考えられており、主に幼少期に口から感染し、胃の粘膜に定着します。

 

ピロリ菌の影響

ピロリ菌が胃の粘膜に住み着くと、慢性的な胃炎を引き起こし、長い年月をかけて進行します。日本人では、ピロリ菌感染により胃の粘膜が次第に萎縮し、萎縮性胃炎という状態になることが多いです。この状態が長く続くと、胃がんのリスクが高まります。

 

ピロリ菌除菌の効果

ピロリ菌を除菌すると、胃の炎症が次第に軽減し、萎縮性胃炎も改善される傾向があります。その結果、胃がんの発生リスクを抑えることができるとされています。2013年からは、内視鏡検査でピロリ菌感染が確認されれば、保険適用で除菌治療が受けられるようになりました。

 

除菌後の検査の重要性

しかし、ピロリ菌を除菌すれば胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。確かにリスクは低減しますが、ゼロにはなりません。特に、除菌前に胃炎が進行していた場合、除菌後も胃がんのリスクが残ります。これは、除菌が成功しても、すでに目に見えない小さながんが存在する可能性があるためです。

 

検診の必要性

ピロリ菌の除菌により、胃がんの発生や死亡リスクを低減することが期待されますが、除菌成功後に検診を怠るケースが問題となっています。除菌が成功しても、定期的な内視鏡検査(胃カメラ)は必須です。特に萎縮性胃炎がある場合は、より注意が必要です。日本の内視鏡技術は非常に高く、早期に胃がんを発見すれば、胃がんによる死亡リスクは非常に低いです。そのため、ピロリ菌除菌後も定期的に内視鏡検査を受けることが極めて重要です。