ピロリ菌の感染について
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中でも生き延びることができる細菌です。ピロリ菌に感染すると慢性的な胃炎を引き起こし、萎縮性胃炎、潰瘍、がんなどのリスクが高まります。胃MALTリンパ腫、胃ポリープ、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とも関連があります。ピロリ菌の有無は、胃カメラ検査で調べられます。
ピロリ菌の症状と原因
ピロリ菌に感染した直後には特徴的な症状はありませんが、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃がんなどを引き起こすことがあります。これに伴い以下の症状が出現します。
・胃のむかつき、胸やけ
・胃の痛み
・吐き気
ピロリ菌が原因で起こる病気の種類
代表的な疾患は以下の通りです。
・慢性胃炎
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃がん
・胃ポリープ
・胃MALTリンパ腫
・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
ピロリ菌と胃がんの関係性
ピロリ菌に感染すると、数十年以内に3~5%の確率で胃がんを発症します。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の発症率は10~15%と高いです。ピロリ菌に感染してもすぐに重病になるわけではありませんが、若いうちに感染を確認し、早期に除菌治療を受けることが重要です。
ピロリ菌の検査
検査方法には「培養法」「迅速ウレアーゼ試験」「組織検鏡法」などがあり、胃カメラ検査と同時に行います。内視鏡を用いない方法として「尿素呼気テスト」「抗体検査」「抗原検査」もあります。
なぜ検査をした方がいいのか
ピロリ菌感染が続くと、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクが高まります。これらを予防するためにピロリ菌検査、除菌治療が重要です。特に内視鏡を用いた検査は有効で、過去の感染もわかります。
ピロリ菌はうつる?
ピロリ菌は主に幼児期に感染します。この時期は胃液の酸性度が低く、菌が生き延びやすいため、親子間でも唇を合わせたり、口移ししたり、食器を共有することは避けるべきです。一方、成人間では濃厚な接触以外で感染することは稀です。
ピロリ菌がなくなれば胃がんリスクはなくなる?
胃がんはピロリ菌以外の原因もありますが、除菌により胃の萎縮の進行が抑えられ、リスクを約3分の1に減らせます。