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【院長ブログ】大腸がんの家族歴がある人は注意

大腸がんには、遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)と家族性大腸ポリポーシス(FAP)という二つの主要な遺伝性疾患があります。これらは大腸がん全体の中で非常に少数を占めており、大腸がんの約35%が遺伝的要素によるものとされています。

HNPCCは常染色体優性遺伝による大腸がんで、以下の3つの特徴があります。

・家系にがんが多く見られる。

・若い年齢でがんが発症する。

・同一人物に複数のがんが発生することがある。

 

HNPCCの大腸がんは、若い年齢で発症しやすい。

若い人に発症しやすい、HNPCCの大腸がんは大腸の右側にできることが多いです。また、ミスマッチ修復遺伝子の異常によって、マイクロサテライト不安定性(MSI)という現象が高頻度で見られます。MSIは、DNAの複製時の誤りを修復する機能の低下によって起こり、リンチ症候群(HNPCC)の患者では8090%に見られます。

 

大腸ポリープには様々な種類がある。

様々な種類があると言われている大腸ポリープの中でがんや腺腫は切除が推奨されますが、その他のポリープはがん予防の観点から切除の必要がないことが多いです。過形成性ポリープは、大腸の右側でがん化する可能性があり、特徴的なものは切除対象となります。しかし、S状結腸や直腸に多発する過形成性ポリープの多くは切除の必要がないとされています。大腸がん予防には、大腸腺腫性ポリープの切除が重要です。