口臭の原因と胃腸の関係性
口臭は多くの人々が経験する問題であり、その原因は多岐にわたります。50代の男性のご相談を受けて思うのは、口臭の大部分は口の中のトラブルに起因しているという事実です。実際、口臭の約9割は口の中の問題、特に歯や歯周病などの問題が原因とされています。しかし、この男性の場合、定期的に歯科クリニックを受診し、虫歯や歯石の問題もないということですので、他の原因を探る必要があります。
胃腸の調子が悪いと口が臭くなる?
昔から言われている「胃腸の調子が悪いと口が臭くなる」という言葉が、現代の医学においても一定の真実を持っています。口の中の問題が完全に排除されると、口臭の原因として考えられるのは食道や胃の問題です。食道に問題がある場合、食道炎や胃液の逆流が考えられ、これらの問題が食べ物の停滞や胃の逆流を引き起こし、それが口臭の原因となることがあります。特に、ピロリ菌の存在は胃の問題と口臭の関連性を示唆しています。この菌は胃酸の中でも生き延び、アンモニアのようなニオイを発生させることが知られています。
口臭の原因として考えられるのは舌苔?
口臭の原因として舌苔も考えられます。舌苔とは舌の表面に付着した、細菌やタンパク質の塊であり、その厚さが増すと口臭の原因となります。そのため、日常のオーラルケアとして、舌の表面を磨くことが推奨されています。しかし、強く擦ると舌を傷つける可能性があるため、適切な方法でのケアが必要です。
ストレスや加齢も
加えて、ストレスや加齢による唾液の減少、糖尿病や腎臓病などの疾患も口臭の原因となり得ます。この男性の場合、まずは口腔内の問題を再確認することが重要です。それに続いて、胃や食道の問題も考慮し、ピロリ菌検査や内視鏡検査を受けることを考慮すると良いでしょう。