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blog【院長ブログ】ピロリ菌を除菌した後、検査する必要はある?

2023.09.07

ピロリ菌除菌後も胃カメラ検査は必要ですか?

皆さんはピロリ菌をご存知でしょうか?ピロリ菌は、らせん状の微小な細菌で、正式にはヘリコバクター・ピロリと呼ばれています。現在日本国内で約3500万人の感染者がいるとされて、そのほとんどの人は幼少期に感染し、胃の粘膜に定住すると言われています。

この細菌が胃の粘膜に住むと、炎症を引き起こし、徐々に慢性胃炎の状態になってしまいます。さらに加齢とともに進行し、多くの日本人は萎縮性胃炎という状態になることが知られています。実は、胃がんの発生はこのピロリ菌が関与しているケースが多いでしょう。

2013年からは、内視鏡検査でピロリ感染胃炎と診断された場合、保険適用で除菌治療が受けられるようになりました。これにより、多くの方が「ピロリ菌を除菌して胃がんを予防しよう」と考えるようになりました。

しかし、一つ注意点があります。確かに、ピロリ菌を除菌することで胃がんのリスクは減少しますがゼロになるわけではありません。実は、除菌前の状態によっては、除菌後も高いリスクが残ることもあります。

さらに懸念されるのは、一度除菌が成功したからといって、胃がん検診を受けなくなる人が増えてしまう点。除菌成功後も、定期的に胃カメラ検査を受けることが非常に重要なのです。既に萎縮性胃炎の状態にある方は、より一層の注意が必要です。

日本の内視鏡技術は高度で、早期に胃がんを発見することができれば、死亡リスクは大幅に低下します。だからこそ、ピロリ菌の除菌後も定期的な検診を受けることが大切と言えるでしょう。

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