大腸カメラ検査は、大腸がんなどの発見に非常に有用な検査ですが、「下剤を飲むこと」が大きなハードルとなっている方も少なくありません。「下剤の味が苦手で飲めなかった」「下剤を試してみたが自分には合わなかった」「下剤の量が多すぎて飲み切れず、嘔吐した」など、過去の経験から下剤服用に対する不安や抵抗感を持つ方も多いことでしょう。
これに加えて、「大量の水分(2L)を飲むことができない」方や「下剤を飲んだ際に気分不良があり、トラウマになっている」という方まで、下剤服用に関わる困難は多種多様です。しかし、大腸カメラ検査で見落としがないようにするためには、下剤による腸管洗浄は必須です。
「鼻チューブ法」を採用した大腸カメラ
このような悩みを抱える皆さまのために、当院では下剤を口から飲むことなく大腸カメラ検査を受けられる「鼻チューブ法」を採用しています。鼻チューブ法とは、鼻からチューブを挿入し、そのチューブを通じて下剤を胃まで直接送る方法です。チューブの挿入は局所麻酔のもと行われますので、心配ありません。
この鼻チューブ法の大きなメリットは、「下剤を口から飲む必要がない」「下剤の味や臭いを感じずに済む」「大量の水分を口から飲むことができない方でも可能」「下剤投与・腸管洗浄が一定の時間内に終わり、検査が遅れる心配がない」そして「口から飲むよりも嘔吐などの症状が少ない」といった点が挙げられます。
一方で、鼻チューブ法にもデメリットは存在します。一つには、「院内でのみ可能で、ご自宅で自己実施することはできません」。また、鼻にチューブを通す際には「少しツンとした感じ」があること、局所麻酔薬であるキシロカインゼリーを使用するため、アレルギーの方は実施できないことがあります。